2011年02月14日

古典建築探訪_淀看席 #02 外観/土間庇            黒谷西翁院/京都市


大きな土間庇付きの西面を見る


淀看の席は見晴らしの良い、少し小高い所に、西向きに建っている。
名前の由来は、かつては、窓から遠くに淀の風景や、嵯峨の方の眺望が望めた事によるらしい。

淀看の席の特徴のひとつに、茶室の正面である、この西面に取り付く、大きな土間庇が挙げられ
る。茶室の正面ともなれば、作者はあれこれ意匠を凝らすものである。ところが、強く忌まわしい
あの西日も同時に解決する必要があった。そこで登場したのが、この土間庇である。西日よけと
同時に、雨風よけにもなり、何かと安心感を与え都合が良い。客へのさり気ない配慮がうかがえ
る。

私が感じた事に、茶室へ向う順路の視線の先に、ちらちらと茶室の正面が見えてくれば、客は導
かれるようで安堵感があろう。しかし、この席の場合、ちょっとしたサプライズもあり、そのような流
れにはなっていない。その為にも、一目で茶室正面入口と直ぐに分かる、大きな土間庇は効果的
であろう。手を広げ、客人の到着を待っているかのようである。
ホテルなどのエントランス前には、大きな屋根付きのポーチがあり、訪れる者を迷うことなく招き
入れ、歓迎するかのようで、安堵感を与えるものである。これと同じ事を、この土間庇には感じた。


用途:茶室、三畳敷、道安囲
作者:藤村庸軒(ふじむらようけん) 江戸初期の町衆で優れた文化人、庸軒詩集などがある。
    千宗旦に師事し、侘び茶をきわめる。
年代:1685〜6年頃


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2011年02月09日

古典建築探訪_淀看席 #01 道安囲              黒谷西翁院/京都市


淀看席(よどみのせき)の点前座・道安囲いを見る


道安囲いが印象的な茶室である。
私はこの構えに心惹かれ、お茶の基本を押さえているようで、とても好感を持っている。
拝観させて頂くたびに、初心を気付かされるような、新鮮な気持ちにさせられる。
亭主は、この丸い花頭口の向こう側でお茶を点て、基本的には客座の方には出てこない。
一歩下がり、謙虚な印象を与える。



襖を閉めた様子


客が躙口より入り、床を鑑賞し、席に着き、気持ちを静めて亭主を待つ間は、この道安囲いの
襖を閉められているのであろう。
しかし、中柱の右側は空いており、火の入った炉と茶釜からは湯気が感じられ、客を待ていた
事を知ることができる。頃合いを見て、亭主が入って来て、点前座に座り、心を落ち着かせる間
合いが、聞こえてくる物音で感じとれる。
そして、静かに襖が開き、対面するのである。客から見れば、ステージの幕が上がり、丸い花
頭口に縁取られた、亭主の姿は、これはちょっとした効果的な演出であろう。
こういったさり気ない心遣いと、一歩下がった謙虚さを感じられるところが、私にとっては心惹
かれる魅力である。


posted by pao at 11:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築探訪_淀看席 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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