2011年05月25日

ヴェネチア #03 サン・マルコ広場のオリベッティ・ショールーム        イタリア


2階への階段を見る


イタリア建築界の巨匠、カルロ・スカルパの出世作とも言われる、オリベッティのショールーム
は、サン・マルコ広場を囲むアーケードの中に、他の店舗と同じ間口で軒を連ねている。

最初に目を引くのは、二階に上がる階段と、その右脇の一階の奥に通じる通路である。これら
は気持ちをショールームの更に奥へと誘い込む力がある。奥の見えない処にも、もっと面白い
ものが在るような気持ちにさせる。

アイストップやアクセントにスカルパは、良くデザインされた茶室の下地窓にも似た格子を使う
が、見る人の気持ちを吸い込んでしまうような力があるように感じる。

二階には2室、打合せスペース兼ショールームがあるが、内部空間や家具共、とても洗練された
ものであった。個性としてのスカルパの世界を表現しつつも、確かなデザイン力でショールーム
として必要なものはしっかり実現しているといった印象で、私はそこにスカルパのデザイナーと
しての、職人的な真摯な態度を見たような気がした。

オリベッティ・ショールーム
設計:カルロ・スカルパ(Carlo Scarpa)
年代:1957〜58
備考:展示が目的のようで販売はしていない
    1906年ヴェネチア生れ


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2011年05月23日

ヴェネチア #02 サン・マルコ運河からの雄姿                 イタリア


船上よりサン・マルコ広場、ドゥカーレ宮(総督宮)方向を見る。  鐘楼(Campanile)の右側、
ドゥカーレ宮(Palazzo Ducale)は、かつてのヴェネチア共和国の官邸と政庁を兼ねた所で、
強大な勢力を誇っていたという。ドゥカーレ宮の後ろ隣がサン・マルコ寺院である。ランドマーク
でもある、サン・マルコ広場に建つこの鐘楼は上に登ることができる。


このドゥカーレ宮の姿も、一度見たら忘れられないデザインである。ヴェネチアは、13世紀か
ら15世紀にかけて、東西貿易にともなう海運業の繁栄により、最盛期を迎えたとあるが、アド
リア海を北上し、ヴェネチアを目指した船から、最初に目にするのがこの光景であったのでは
ないだろうか。

海面から浮き立つかのように明るく華麗に、そして、優雅に建つその姿はどこか女性的でもあ
り、軽やかである。
更に言えば、他を圧倒するかのような、厳めしさ、仰々しさはなく、友好的で平和的に見える。
ヴェネチアの事を「アドリア海の女王」、「共和国の貴婦人」、「イタリアの真珠」などとも呼ばれ
ていたとのこと。そのどれも今の時代でも、そう誇張でもないと思われる。


ドゥカーレ宮(Palazzo Ducale)
8世紀に創建し、14〜16世紀にかけて順次改修し現在の姿となる。
外観の下層はゴシック風な繊細なアーチが連続しているアーケード(回廊)部分であり、アー
ケード上部の3層目はマッシブな大壁面で、白と薄いピンク色の大理石の比較的細かなパタ
ーン模様の外装である。イスラム建築の影響か、細かな装飾が随所に施されている。


ラベル:ヴェネチア
posted by pao at 10:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築旅日記_イタリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月20日

ヴェネチア #01 水の都                              イタリア


サン・マルコ広場前のゴンドラたち


細長いアドリア海の一番奥まった突きあたりに、この「水の都」と呼ばれている、美しい都市ヴェ
ネチア(ベニス)がある。この街の中には車は走っていない。従って、交通手段は船と、主には徒
歩である。細かく迷路のように、張りめぐらされている運河や道も、細い路地状で皆曲がりくねっ
ていて、散策するのも楽しい。車ではなく、人間の為だけであれば、これで十分ということなので
あろう。

細い運河には小さな橋が架かり、橋の上でボッと眺めていると、運河の角から小舟のゴンドラが
現れ、橋の下を通り抜けて行く。ゴンドラの客もおそらく旅行者であろう。もの珍しいので、じっと
見入っているとお互いに目が合い、共に笑顔になってしまう。

穏やかな表情を見せる、水辺と共にある都市(生活)は、とても快適で人間くさく、楽しそうである。
車という人間とはスケールの異なるものと共存することで、我々はほとんど気が付かないまま、
何かを失っているのではないだろうか。

それにしても、よく見ると、このゴンゴラの特に先端の形は、ユニークで少々大げさで、派手であ
る。日本人の侘びさびの感覚ではない、根っからの明るさのようなものを感じる。
思えば、イタリアはデサイン性に優れた国であるが、こんなところにもデザイン魂が表れている
ように思われる。


ラベル:ヴェネチア
posted by pao at 12:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築旅日記_イタリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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