2012年07月23日

ラ トゥーレットの修道院 #05 礼拝堂の内部          リヨン郊外/フランス


トップライト下の祭壇を見る


礼拝堂内部は、他の渡り廊下等のような、外の風景を望める窓はほとんどなく、採光は上部
からのトップライトの光が主である。ステンドガラスのような、色ガラスを用いた装飾的なデザ
インは一切なく、それに代わるものとして、上部からのトップライトの光の筒にあたる部分は、
赤、青、白、黄色等の鮮やかな原色で塗られている。

その大きさ、形、配置等のデザインは緻密に考え抜かれているのであろう、見事であった。
つまり、礼拝堂としての神聖で、神秘的な空間を遺憾なく創り出していた。

これまでの古典的な礼拝堂は、複雑で高い天井や多数のステンドガラス等の力を借りて、
その空間を演出してきたのに対し、このラ トゥーレットは、光の量や形、色、そして、その配
置等のみで、この神聖な空間を演出しようと、試みて(チャレンジ)いるかのようでもあった。

他の礼拝堂と比べて、その光の扱いが際立って異なる。また、質素、ストイックというような
建物全体の大きなテーマとも関係があろう。


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2012年07月19日

ラ トゥーレットの修道院 #04 その田園風景のこと       リヨン郊外/フランス


エントランス手前、礼拝堂を左手に西方向を見る


リヨン郊外にあるこのラトゥーレット修道院は、とても良いロケーションにあった。廻りは農地と
牧場(牛と馬が我々を出迎えてくれた)である。そして、その建物のあるあたりは、小高い丘の
ゆるやかな斜面であった。昨日から続いている小雨が今日も降ったり止んだりで、風景は白く
霞んでいたが、その丘から眺める、その田園風景はとても美しいものであった。

赤い瓦の家々、所々に黄色の農地、緑の牧草地、小高い山と森、その起伏のある風景は、絵
画でよく見るフランスの田園風景そのものである。時々ニワトリの鳴き声や、教会の鐘の音が
聞こえて来る。

多分このような風景は、ゴッホなどが描いた、その当時からさほど変わってはいないのではな
いかと思うとき、日本の農政は明らかにどこか間違っている、という思いがしてくる。
それは 「田園風景を魅力ある姿に保つ」 というポリシーの無さであろう。

農村に活気が無くなり、過疎化が進み、耕作放棄地の増加や、宅地などに変えられてゆく様を
見ると、まさに、そのように感じてしまう。都市と農村の役割分担が間違っているのであろう。
しかし、ここ近年の不景気から、農業へと目を向ける動きもあるようである。大いに期待したいし、
その際はこのフランス等は良い手本であろう。

敷地の入口近くに住んでいるのであろう、中年の農夫が、作業の手を休め我々に挨拶してくれた。
帰りも又、しかりである。なんと気さくで人間味ある人たちであろうか。

この道を何人もの建築家が通ったであろうが、建築の一つの姿を教えたことであろう。

先の挨拶をしてくれた農夫もその事を感じていて、この建物が自分たちの誇りなのであろう。
挨拶を返す我々の期待感や感動や興奮の様子をうかがい知るのが、自分のことのように嬉しく、
又、誇りにも感じているのであろう。両者共に良い関係ということである。


posted by pao at 11:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築旅日記_フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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