2014年09月08日

通気層と外壁の中で起こる内部結露の仕組みと防止について

外壁の中で起こる結露は、屋内の水蒸気を含んだ空気が壁の中にある断熱材の中まで侵入して屋外側に抜けず、断熱材内に滞留した場合、屋外冷気の影響でその部分が冷やさせることによって発生します。

壁内の結露は、断熱材の断熱性能及び木材の耐久性を低下させる原因の一つとされています。


壁の内部結露を防ぐ、施工上の重要なポイント

■これまでの住宅の壁の構造




外壁内に侵入した水蒸気が、屋外に抜けない為、屋外からの冷気によって冷やされ壁内で結露してしまう。


■通気層を設けた高断熱高気密住宅の壁の構造

結露を防止するためには、屋内の水蒸気を含んだ空気が壁内に侵入するのを防ぐ必要があり、断熱材を隙間なく、かつ、防湿気密シートを壁全面に設けることが基本です。しかし、防湿気密層の施工を入念に行っても、水蒸気を含んだ空気が壁内に侵入することを完全に防ぐことは難しいことです。その為、壁内に侵入した水蒸気を外部に放出させるための処置として、断熱材の外壁側に上下が外気に解放された、空気が流れる通気層を設けることで、壁体内の水蒸気を常に外部へ排出させることが可能になります。




■透湿防風(防水)シートの役割
水蒸気は透過させ、風や雨水等は通さないシートのことで、断熱材の外部側に設ける(張る)もの。さらにその外部側に、上下が外部に解放された、空気の流れる通気層を設ける。
このシートの役割は、断熱材内に侵入した水蒸気を壁内結露防止の為、通気層側に放出させることである。これは通気層内の空気の流れによる水分の蒸発・乾燥作用による。

■通気層の役割
通気層内の透湿防風シートまで達した断熱材内の水蒸気を、上下が外部に解放された空気の流れにより、蒸発、乾燥させることで断熱材内の水蒸気を減少(乾燥)させ、壁内や断熱材を常に乾燥状態に保つことで断熱性能の低下を防止し、木材が腐るリスクも減少する。


屋内の水蒸気が外壁内に侵入しにくく、たとえ、少量の水蒸気が壁内に侵入しても、通気層の空気の流れで常に屋外へ排出される為、壁の中は常に乾燥状態に保たれます。その結果、断熱材がその本来の性能を発揮でき、室温は快適となり、壁内の木材を腐らせるリスクも減少し、住宅の耐久性が向上します。


上村 美智夫 / Michio Kamimura
PAO建築設計
 http://www2.gol.com/users/paoarchi/  E-mail paoarchi@gol.com


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