2013年03月25日

サヴォア邸 #05 屋上庭園―中庭状の2階屋外テラス―     パリ郊外/フランス


2階屋外テラスよりリビング方向を見る


正面に見えている大きなガラス窓の所がリビングである。
左端のテラス手摺壁の所に、作り付けと思われる、長いテーブルが見えている。
右側の薄青色のドアがこのテラスへ出るドアであり、続いて右側に延びているのが、リビング
上部のルーフテラスへ続くスロープである。
ルーフテラスはこちらの内側、2階屋外テラス方向に対しては、とても開放的であるが、外周側
は目隠しの目的で高い壁で囲われている。

この中庭状の屋外テラスもそうであるが、とてもプライバシィーが大切にされていて、程良く囲わ
れているという安心感と、周囲の自然を、額縁で美しく切り取って見せているような、適度な解放
感が味わえる。

このバランス感覚のようなものもサヴォア邸の特徴であり、魅力であろう。大きく開かれているの
は、内側の屋上庭園方向であり、それに対して外周部の窓(水平連続窓)は、ほとんどが同じデ
ザインで、しかも小さく控え目であり、少々型にはまったかのような(少々堅苦しい)、ストイックな
印象を与えている。

更に言えば、外見はクールさを強調した(装った)デザインとも言えよう。これらの事で生まれる、
この内と外の対比の絶妙なバランス感覚が、今なお新鮮で心地よいのだ。


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2013年03月17日

サヴォア邸 #04 リビングに広がりを演出する工夫        パリ郊外/フランス


リビングより屋外テラスを見る    2階外観の白い壁面に、水平に連続窓が同じパターンで見
えているが、注意してよく見ると、一部はガラス窓が入っておらず、ただの開口(穴)であることに
気が付く。あまりにも同一のデザインなので、外観を見ている時はあまり気にも留めなかった。


このリビングから屋外テラスを見て、ハタと気が付いた。

リビングの室内の窓と、その壁とが屋外テラスの方へそのまま連続して延びており、そして、そこ
に開けられた開口(穴)が、室内の窓と同じ形状なので、そこまで部屋が連続しているかのように、
屋外テラスまでがリビングと一体の空間であるかのように感じられる。このことがリビングに、広が
りと解放感を与えている。

また、その開口(穴)によって切り取られて見える、周囲の木々の風景がより一層美しく見えるよう
な気もする。更に、限られた開口とすることで、外から覗かれる心配もなくなり、その結果このリビ
ングにおいては、大胆な開放的な窓が可能となり、このリビングの大きな魅力となっている。

これが1階レベルであると、高い塀を巡らせる必要があり、それは往々にして、大げさなものとなり、
あまり心の底からは、楽しめない(何か後ろめたい)ところもあるが、このサヴォア邸の場合は屋上
庭園とすることで、仰々しくならず、スマートですんなり受け入れられる。

よくコルビュジエについては、近代建築の五原則(ピロティー、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、
自由な立面)など、理論的な面ばかりが前面に語られることが多いようにも思うが、実際に見ての印
象は、自然や人間に対して、率直で謙虚な姿勢の方をまずは第一印象として強く感じる。

おそらくそれらの事を解説(説明)して行く中で、五原則のようなものに行きついたのではないだろうか。
逆に、五原則のようなものからスタートしても、この様な作品は生まれないだろうとも思った。


posted by pao at 20:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築旅日記_フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月10日

サヴォア邸 #03 2階に設けられた中庭状の屋外テラス     パリ郊外/フランス


リビングより屋外テラスを見る    左端に見えている薄青色のドアが、1階からのスロープを
登りきったところの2階ホールから、この屋外テラスへ出るドアであり、そして、そのドアのすぐ
右側に見えているのが、屋上のルーフテラスに向かうスロープである。細かい水平な横桟のガ
ラス窓が見えているが、この窓からスロープを登るにつれて徐々にこの屋外テラスが見えてくる。

この中庭状の屋外テラスの多様な見せ方は、サヴォア邸の大きな魅力のひとつであろう。

スロープが1階玄関ホールから2階ホールへと続き、そして一度屋外テラスに出て、更にその上部
のルーフテラスへと切れ目なく続いている。このスロープは、中庭状の屋外テラスを様々な方向・
角度から鑑賞できるように巧みに考えられたものである。

日本庭園でいえば、様々な絶景ポイントへと導く、飛び石などを配した園路のようなものであろう。
つまり、歩みを進めることによって、刻々と景色が変化し、様々な驚きと発見が待っているのだ。
ぐるぐると園内を歩き回り、まだ見ぬ絶景ポイントを探索する、あの回遊式庭園の楽しみ方と
似ている。


posted by pao at 18:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築旅日記_フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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