2010年06月14日

中国の屋根に対する美意識とは#02 / 砂漠の中の瓦屋根    敦煌、莫高窟/中国


莫高窟背後の高台より見る  瓦屋根越しにわずかな緑と、その外側には広大な砂漠が広がる。


崖状の、そのそそり立つ急斜面に、人間は何かに取り付かれたかのように、その困難さもい
とわず、ものを創ってきた事実がある。

・この敦煌、莫高窟
・日本では、三徳山、三仏寺、投入堂など
アケメネス朝の王の墓、ナクシェロスタム/イラン
・バーミヤン/アフガニスタン
・ファラオの宝庫、ぺトラ/ヨルダン (映画インディ―ジョーンズで有名な)
・アジャンタ―石窟寺院群/インド
・カッパドキアやトラブゾンのスメラ僧院/トルコ
・などなど・・・

この莫高窟の石窟群は、比較的軟らかいと思われる、崖の中腹に穴を掘り、内部空間を造
り出している。なぜ中腹だったのか。
一番の理由は、眺望を手に入れたい為と思われる。次に掘り進んでも簡単には崩れない為、
高い建築技術は不要で、建築コストを抑えられる。これらの点は何かを造らんとする人間には、
魅力的であろう。
必要なのは、延々と掘り続ける忍耐力と、時間の長さである。
ある意味これさえあれば、現代でも通用するし、可能な方法であろう。


中腹であれば、穴を掘り進み、内部空間を造っても、天井が崩れない限り、屋根を造る必要が
ない。経費の節減に大いに貢献する。
この莫高窟の石窟のすべてではないが、特に大きなものは、その上部に大きな煙突状のもの
が突き出している。想像するに、内部空間を奥へと掘り進めば、当然暗くなり、酸素も不足して
くるであろう。そして何より、暑くなり何かと不快であろう。新鮮な外気を呼び込み、換気(排気)を
しなければ、快適な室内環境とはならないだろう。これらの事は、現代の我々の住環境と同じ問
題である。
最初の絵の最上階の瓦葺の方形屋根については、あくまで想像であるが、目的は先の新鮮な
外気を呼び込む換気装置であり、そしてその上部から光を取り入れる、明り取りではないだろ
うか。この石窟は特に大きく、最上階は8~9層目くらいで、最上階の岩盤の天井は、薄くなリ
過ぎ、無い可能性も考えられる。したがって、その部分に木造で屋根を掛け、瓦で葺いたので
はないだろうか。



この絵は、同じく莫高窟背後の高台で見た煙突状のものである。高さは3m程度はあり、
とても中は覗けなかった。

posted by pao at 15:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築旅日記_中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月02日

中国の屋根に対する美意識とは #01               敦煌、莫高窟/中国


莫高窟入口の門/正面

何故、上部の赤い額の左右から、空が見えるのだ、とまず最初に驚いた。




莫高窟入口の門/側面



敦煌、莫高窟の入口にある門である以上、当時の人々の美意識の象徴であったとみても、
そう間違いではないと思います。 最初にこれを見たとき、屋根に対する考え方が、日本と
中国ではかなり大きく違うのではないかと 感じました。それまでは、屋根先端の反り上が
り方が、中国の屋根の方は、大きく跳ね上がってお り、それに比べ日本のものは反り上
がり方が小さく、優美さがあるという程度に思っていました。

この門の屋根は、屋根そのものが、人目を引かんとする、装飾性の意味合いが高いと感
じました。シルクロードを経て、こういった文化が日本に伝わって来たことは、確かでしょう
が、日本では広まらなかった、このようなスタイルもあるということです。広くは日本人の美
意識に受け入れられなかったという事でしょう。

しかしながら、日本では主流とは言えないと思われますが、日光東照宮のあの豪華絢爛さ
は、これにちかいもがあるのではないでしょうか。

色々となぞは深まります・・・・。 more....「敦煌/中国0412」続きを読む
posted by pao at 18:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築旅日記_中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月27日

砂漠の中のイスラム寺院                蘇公塔/トルファン/中国


砂塵に霞むどんよりとした風景の中に、揺らめくように現れてきました。


建築などというと、妙に様式だ、プロポーションだ、洗練されたデザインだ、と急にもろもろ
が複雑に絡み合い、分かり難くなります。

砂塵や外敵から、身を守るための広い空間を、長方形に取り囲む高い塀。ラクダなど家畜と
共に外敵の脅威を心配しながら生活する人々にとっては、それらもろもろを取りこんで守
ってくれる広い空間と高い塀は、やがて訪れる夜と睡眠のためにも、何よりの安らぎを与え
てくれるだろう。

高い塔は、遠くからでも発見しやすいため、道を間違えないための目印であろう。塔の上部に
登れるのであれば、外敵の様子をいち早く知ることも可能で、その対策や備えの為にも必要
であろう。さらに何より、シンボル、権力、偉業、富等の象徴である。
高い塀の上部から、少しだけ屋根らしきものが見えるが、これらはこの建物の中でも重要な、
祈りの空間や、執務などの用途であろう。


蘇公塔
用途:父の額敏の功績をたたえて建造
作者:当時のトルファン郡王蘇来満
年代:1779年
高さ:44m
(一部、ダイヤモンド・ビック社発行、地球の歩き方、中国B シルクロードより抜粋)


トルファンや蘇公塔などのつづきについては、下記もどうぞ。
トルファン/中国0407
トルファン/中国0408


posted by pao at 18:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築旅日記_中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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