2014年06月03日

耐震診断のすすめ――建替えかリフォームか迷ったら

時々相談を受けることのある、建替えにするべきか、それともリフォームの方が良いのかの判断
について、改めて考えてみたいと思う。

これまでは、相談を受け、その都度それぞれの個別の内容で、可能な限り総合的な観点から、
回答していたように思う。

そのような場面で、ベーシックとなる、何か客観的な物差し・判断基準のような、一定の確かさの
ようなものを備えているツールは、無いものだろうかと思う。





相談する側からすれば、リフォームを専門とするようなところに相談すれば、「リフォームでいき
ましょう」等と勧められ、建物の耐久性等にかかわる重要な部分(基礎、土台、柱、屋根等)に多
少の問題があっても、あまり重要視はされず、見える所だけを美しく仕上げて終わるのではないか。
そういう事でその後20年、50年レベルの耐久性は維持できるのだろうかと不安にもなるだろう。

また、一方で新築を得意とするような工務店等では、「柱が傷んでいるので、建替えた方がより
安心できますよ。」等と勧められ、本当は少々の補修で十分なところが、建替えとなったりはしな
いだろうかと、これもやはり心配にもなるだろう。

これらの不安は、私のような建築の設計事務所に相談する場合であっても、概ね似たものでは
ないだろうか。

そこで思い当たったのが、多くの行政で行っている、建物の耐震診断である。

現在では、その診断費用については一般的に多少の補助が期待できる。これらはリフォーム
工事等には直接関係しない、公正中立な、独立した第三者機関の判断と思ってよいだろう。

この耐震診断の結果を見れば、耐震補強(リフォーム)程度で済むのか、あるいは、この際建
替えた方が費用的にも合理的なのか等の判断がある程度は可能になると思われる。
その耐震診断の結果と、自分たちが希望するリフォームの内容をプラスした時に、建替えの方
が良いのかリフォームで済ませた方が良いのかの判断も、おのずと見えてくるのではないだろうか。





耐震診断の結果は、評点という数値で示され、その危険レベルの判定や今後の対策については、
概略以下のように表現されるようである。

評点=1.0以上〜1.5未満 → 一応安全だと思われるが、念のため専門家に診てもらいましょう。
評点=0.7以上〜1.0未満 → やや危険です、専門家による診断を受けてください。
評点=0.7未満        → 倒壊又は大破壊の危険があります、ぜひ専門家と補強について相
                     談してください。

耐震補強の工事とはその低かった評点を、新たに、筋かいの追加等の各種の耐震補強を行うことで、
その結果として、評点を1.0以上まで引き上げることを意味している。もちろん、評点をより高くして、
より高い安全性を求めることも可能であるが、それには更なる工事費の増加を伴う。

まずはこの公正中立な耐震診断の結果を確認して、それをベースにして、建替えかリフォームかを
考えてみるというのが、最も安心できるひとつの方法ではないだろうか。

現在、耐震診断等については、何らかの行政の補助(助成)が用意されているようである。
その補助とは耐震診断の費用の3分の2とか、耐震改修費用の2分の1等ですが、その具体的な
内容は、それぞれの行政で若干の違いがあるようです。

ネット検索で、「○○○市役所 耐震診断 補助」等で情報は容易に見つかると思います。
可能であれば、補助金等も上手に活用したいものである。


リフォーム、増改築についての関連情報
・リフォームについて(PAO建築設計ホームページ)
 リフォームにおける大切なポイントや「住宅の劣化の進行」グラフも掲載しています。
 http://www2.gol.com/users/paoarchi/jilei-reform/jilei-reform.html


PAO建築設計 http://www2.gol.com/users/paoarchi/

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2013年04月15日

シミュレーションの活用―長期固定型住宅ローン・フラット35S―




民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する長期固定型の住宅ローンに
フラット35Sというものがある。

これは以前から、優遇金利で注目されてきた。しかし、これを利用する為には、ある
意味高いハードルが設定されていた。そのハードルとなる条件を満たす住宅の代表
選手が「長期優良住宅」である。

省エネルギー性、耐震性など数項目にわたり一定レベルの基準を満すことが条件と
なっている。これらの条件を満たすためには、当然コストアップは避けられない。
良い事と分かってはいるが、誰もがそう簡単に採用できる訳ではなく、よって今でも
大多数とはなれず、長期優良住宅は今だ少数派であろう。

その条件の中に、今回新たに「認定低炭素住宅」というものが追加された。

これは主に「一次エネルギー消費量」の削減に的を絞った内容となっており、長期優
良住宅では条件になっている、耐震性のアップなどの数項目が必要なくなっている。
従って、多少ハードルは低いと思われる。

そういったことで、フラット35Sの注目も更に上昇することもあろうが、まずは、他と
比べてどの程度のメリットがあるのか、毎月の返済額等のローンシミュレーションが、
手軽にパソコンなどでできればありがたい。

個々のケースで本当にメリットがあるものなのか、確かめてみることは大切なことで
あろう。その際に役立ちそうなものに、住宅金融支援機構がフラット35のサイト
(WWW.flat35.com)において無償で提供している『資金計画シミュレーション』
というものがある。
これは入力する条件をいろいろと変えて、その違いを納得できるまでシミュレーションで
確認することができるというものである。
まずはシミュレーションでその効果を確認して、納得・理解し、不安を払拭しておくことは
とても大切な事ではないだろうか。

さらに詳しくはこちらへ・・・「長期固定型住宅ローン・フラット35Sとシミュレーション
認定低炭素住宅の概要はこちらへ・・・「平成25年1月改正の省エネ基準と認定低炭素住宅について


ラベル:省エネ・エコ
posted by pao at 09:46| Comment(0) | TrackBack(0) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月05日

今回の消費税増税と住宅等の計画スケジュールについて


今回の消費税アップ、5%から10%については、来年の平成26年4月1日より、
5%から8%(3%アップ)に、そして、再来年の平成27年10月1日より、8%
から10%(2%アップ)と段階的にアップする予定になっています。

住宅等のように、お店で商品(完成品)を買うというようなことが、一般的にはできない
ケースの場合、消費税増税については、どの様に考えたらよいのでしょうか。
それについては、次の様になります。

新税率は、新税率施行日以降に引き渡しを受ける住宅に適用されます。
今回の場合の新税率施行日は、平成26年4月1日(5%から8%)と
平成27年10月1日(8%から10%)になります。

引き渡しとは、工事上の不具合等が有れば、それらの手直し工事等も含め、全ての
工事が完了(竣工)して、工事請負代金の最終支払いを済ませ、玄関の鍵等を
受け取ることを指します。

新税率施行日の直前は、駆け込み需要等で工事に遅れが生じることが予想されます。
たとえ工事期間に多少の余裕を見たとしても、この不安は残ります。
これらの不安に対し、下記の様な経過措置が取られています。

■ 平成25年9月30日(8%の新税率施行日の半年前)までに締結された工事請負契約については、
  平成26年4月1日(8%の新税率施行日)以後に引き渡しを受ける場合でも5%を適用。
■ 平成27年3月31日(10%の新税率施行日の半年前)までに締結された工事請負契約については、
  平成27年10月1日(10%の新税率施行日)以後に引き渡しを受ける場合でも8%を適用。

どうぞ、この経過措置が活用できるように、余裕を持った設計スケジュールとなるようにご注意ください。
工事請負契約をするまでには、約半年程度の設計期間が必要になります。
詳しくは、「今回の消費税増税対策と住宅等の設計開始時期との関係について」をご覧ください。



表:設計開始時期と消費税増税との関係


posted by pao at 14:26| Comment(0) | TrackBack(0) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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