2010年11月29日

古典建築探訪_憶昔席 #03 相伴席    西本願寺/京都市


相伴席(しょうばんせき)を見る  左端に半分ほど見えている躙口を入ったところが、板敷きに
台目幅の薄縁を敷いた相伴席である。床に見切りとして敷居が入り、手前の憶昔席(三畳敷き
に踏込畳約半畳)へと続いている。


相伴席とは、簡単に言えば、お伴の方の席となろう。茶室には必ず相伴席があるかというと、そう
でもなく、むしろ無い例の方が多いであろう。
茶室などの和室の場合、相伴席として分かりやすく、目立った形で空間を区切っていなくとも、 正
客や次客(お相伴)の座る位置は部屋の構成から、決まってくるものである。あえて目立った形で、
上下の関係を付けないという考え方であろう。

憶昔席と同じく、飛雲閣のある滴翠園内には、別棟として茶室、青蓮社(せいれんしゃ)・澆花亭
(ぎょうかてい)がある。こちらの壁の色も、憶昔席と同じような色合いの紅色である。青蓮社・澆
花亭の方が、憶昔席より年代が前のようなので、憶昔席の紅壁はこれらと関係しているとも考え
られる。


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2010年11月24日

古典建築探訪_憶昔席 #02 風炉先窓と付書院/内観・外観    西本願寺/京都市


内観  風炉先窓(左側)と付書院(右側)を見る。


紅色の壁も特徴的であるが、やはり池に張り出すように建ち、池を見渡すかのように、付書院が
付けられているのは珍しく、爽快であり効果的である。
このような草庵風な4畳半以下の小間の茶室には、一般的には書院造りの様式のひとつである、
付書院は付けないことの方が多い。書院風な意匠は、どこかきらびやかで、堅い印象を与える
為であろう。



外観  出庇の下、縦長の4枚障子の部分が付書院であり、その右、下地窓の部分が先の
風炉先窓である。


この憶昔席(いくじゃくせき)は、当初から飛雲閣にあった茶室ではなく、後から増築されたもの
である。
飛雲閣は書院造りをベースにした、自由で奇抜な意匠であるが、これに付属する茶室としての
意味合い、そして、池に張り出して建つというロケーション、これらの事柄が憶昔席の意匠にも
反映されていると思われる。
滄浪池(そうろうち)なる景色の美しい池に面して建つならば、それを愛でる付書院のような大き
めの窓が効果的であろう。また、炉は台目切であるが点前座には、一般的にはある中柱がない。
これなどは狭い室内を広く感じさせ、書院風にすっきり見せる効果があろう。

いかにも飛雲閣に呼応するかのような、自由奔放で効果的な意匠が見られる。草庵風の中に、
その雰囲気を保ちつつ、書院風な艶やかさ、空間的な広がりや明快性を上手くミックスしたもの
であろう。遠州好みの「きれい寂」などにも通じるものがあると思われる。


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2010年11月17日

古典建築探訪_憶昔席 #01 点前座  西本願寺/京都市


点前座を見る  右手の窓を開ければ、滄浪池(そうろうち)が望め、高さは水面からは2mくらい
はあろう。

憶昔席(いくじゃくせき)は飛雲閣に付属する茶室である。
飛雲閣の船入の間の東側に水屋を介して接している。よって、飛雲閣と同じく、滴翠園(てきす
いえん)内の池、滄浪池に面して、池に張り出すかのように建っている。
これだけ池に接近して建つ小間の茶室も珍しい。


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